鍼灸とは
鍼治療は、
人間の皮膚感覚の中でも痛みに関する感覚を、
治療に利用する方法で、鍼を皮膚に接触させたり、
刺すことによって鈍っている神経機能を興奮させ、
また逆に興奮している機能を抑制することによって、
体の不調を治療しようとすることです。
鍼(はり)と健康保険
鍼灸も、健康保険で利用することができる。
しかし、医師の「同意書」が必要である。
神経痛・リウマチ・五十肩など6つの疾患に限られ、
同一疾患については、医師の治療と併用はできない。
手続きが面倒なことなどが災いして、
まだあまり普及していないが、利用は確実に伸びており、
2005年には推定で千数百万件健康保険による鍼灸治療が行われたと
見られている。
鍼灸と健康保険の概略については、
保険鍼灸マッサージ師会を参照のこと。
鍼(はり)とエビデンス
1979年に世界保健機関(WHO)が
臨床経験に基づく適応疾患43疾患を発表したり、
1997年にNIHの合意声明書において
鍼治療は手術後の吐き気、妊娠時の悪阻、化学療法に伴う吐き気、抜歯後の疼痛、
などに有効であることが示されたりした。
また、2003年にも、WHOが臨床試験に関するレポートを出している。
しかしながら、WHOの発表に関しては質の低い臨床試験の結果が
多数考慮されていることが指摘されており、
1997年のNIHの声明書に関しては、その内容は古く、
誤りが含まれていることが2010年現在は注記されている。
2000年には英国医師協会も鍼の有効性に
関する合意声明を表明。
しかしながら、この声明の前提となっている鍼の有効性を示すデータの
扱いについては批判がある。
だが、日本の医学界においては2006年時点では、
特に鍼に関する共通の声明などはなく、
これら欧米の動きから徐々に鍼への注目が広がっている。
質の高い臨床試験の結果を系統的に評価した結果、
鍼治療には小さな鎮痛効果が見られるが
バイアスと区別することは出来ないとする研究結果が
2009年に報告されている。
2010年現在、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の
国立補完代替医療センター(NCAM)によると、
大規模な臨床試験の結果、鍼治療は頭痛、偏頭痛、腰痛、上腕骨外上顆炎(テニス肘)については
通常の医療と同等に効果がある(あるいは "同等に効果がない")可能性がある
としている。
なお、手根管症候群、線維筋痛症、生理痛、筋筋膜痛、頸部の痛み、
変形性膝関節症、術後歯痛については有効性が認められないか、
質の高い臨床試験が行われていないとされており、
これらの疾患に対する鍼治療の適用は推奨されていない。
例えば膝などの関節に痛みがある場合に鍼治療を行い、
療法師から膝に負担をかけないよう患者に対し指示し、
それを実行した場合は症状がさらに改善する。
但しこれは自然治癒が原因によるもので鍼による治療は
疾病に対する直接的な治療効果は全く無いか、
殆ど無いのどちらかである。
症状に改善が見られないか、
痛みが増した場合は、
できるだけ早い段階での通常医療への切り替えが望ましい。
WHOによる鍼灸の適応疾患
●神経系疾患
神経痛・神経麻痺・自律神経失調症・神経症・心身症・脳卒中後遺症・頭痛・不眠症・眩暈(めまい)
●運動器疾患
関節炎・関節症・肩関節周囲炎(五十肩)・関節リュウマチ・肩こり・頸肩腕症候群・ムチ打症・捻挫・腱鞘炎・腰痛症
●循環器系疾患
心悸亢進(心臓神経症)・高血圧症・低血圧症
●消化器系疾患
便秘・過敏性大腸症候群・口内炎・舌炎・胃アトニー・胃腸炎
●呼吸器系疾患
感冒(風邪)・咳嗽(セキ)・鼻炎・扁桃炎・咽頭炎・喉頭炎・気管支炎・気管支喘息
●泌尿器系疾患
ネフローゼ・腎、尿路結石・膀胱炎・尿道炎・前立腺肥大症・陰萎症・遺性・インポテンツ
●内分泌系疾患
尿崩症バセドウ病・糖尿病
●皮膚科疾患
皮膚炎・蕁麻疹・ヘルペス・しみ・円形脱毛症・ニキビ
●婦人科疾患
月経不順・月経痛・更年期障害・冷え性・つわり・胎位異常(逆子)・乳腺炎・乳汁分泌不全
●小児科系疾患
疳虫・夜尿症・夜啼症(夜泣き)・小児喘息・虚弱体質・自家中毒症
●眼科系疾患
眼瞼炎(ただれめ)・麦粒腫(ものもらい)結膜炎・眼精疲労・仮性近視・弱視・涙管炎
●耳鼻科系疾患
耳鳴り・難聴・メニエール病・中耳炎・副鼻腔炎(蓄膿症)




